successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

らでぃっしゅぼーや 上場体験談(ジャスダックHP)

2008年12月8日にジャスダック上場したらでぃっしゅぼーや株式会社
(代表取締役社長 緒方 大助 氏)の上場体験談がジャスダックのHPに掲載されています。
(メールマガジン「JASDAQ IPO WAVE」としても配信されています)

JASDAQ上場を達成した会社の体験談 らでぃっしゅぼーや株式会社 代表取締役社長 緒方 大助 殿
http://www.jasdaq.co.jp/list/taiken/taiken3146.jsp


詳細は、原文を直接お読み頂ければと思いますが、上場の「苦労話」として、
(1) 申請書類作成
(2) 厳しさを増した審査
(3) リーマンショック
を挙げています。


(1)申請書類作成
>上場関連書類等の内容を様式通りに記載することが出来ず、大変苦労しました。他社においてもこのような記載事例は少なく、主幹事証券会社や監査法人と協議を重ねて、独自の書類作成を進めました。
(コメント) 同社はMBOスキーム(らでぃっしゅぼーや株式会社と受け皿会社を合併させ、受け皿会社を存続会社にした)を経て、現在に至っているため、「申請会社」のことだけで申請書類(← 「?の部」を指すと推察)を作成してしまうと、事業をやっていない「受け皿会社」の説明となってしまい、それでは中身のない申請書類となってしまう点につき、ひと工夫したとのことです。
IPO実務では、合併や株式交換、持株会社化などの組織再編などが行われている場合、?の部等の作成にあたって、ひと工夫が必要です。私も最近、この手の「工夫」が必要な会社さんの支援をしていますが、「主幹事証券会社や監査法人と協議を重ねて」を適切なタイミングで(後手後手にならないよう)行うことが本当に重要だと思います。


(2) 厳しさを増した審査
>このように一連の審査においては、時間的な制約もあり、精神的にも肉体的にも辛かっただけでなく、上場企業における残業代の不払いが社会問題化したことや、新興企業が上場まもなく破綻したことなどを受けて、労務管理や予算統制などの面で審査が一段と厳しくなっているように感じました。
(コメント)「労務管理」、「予算統制」に対する審査(の厳しさ)が特に印象に残っているとのことですが、両者とも昨今の上場審査における重要ポイントですので、同社特有の話ではなくどの会社にもあてはまることかと思います。


(3) リーマンショック
(コメント)株式市況も低迷し、株価も低い状況のため、「上場できるのか、上場すべきなのか色々考えるところもありましたが」と迷いもあったようですが、上場することを決意したとのことです。




上場準備中の会社の方には、 他社分も含めて体験談を一読されることをオススメいたします。
ジャスダック以外の市場が想定市場の会社さんでも)
ジャスダック証券取引所は、精力的に上場体験談を公開・更新されておりとても良い取組みだと思います。
(その他の取引所はこのような取組みはほぼ皆無でしょうか。ヘラクレスが頻度は少ないですがメールマガジンで体験談を配信している程度かと思います。)

ジャスダック証券取引所 「上場を達成した会社の体験談」
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_40.jsp