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(読書録)察知力

察知力 (幻冬舎新書)

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プロサッカー選手 中村俊輔氏(セルティック所属)の著書です。

元同僚が本書を推薦していたので読んでみました。

内容は、中村氏自身が少年時代から現在までのサッカー人生において、各々の局面においてどう考えて、どう行動してきたかを振り返る内容です。
感想としては、『超一流のスポーツ選手はこんなことまで考えているのか!』とのオドロキでした。

自らのレベルを高めていくために今(目先)のことだけでなく将来を見据えた取り組みをしていること、監督が変わる都度求められるプレースタイルが変わったとしても起用され続けるために考えていること等々、驚きの連続でした。
監督、チームメイト、ファンが自分に何を求めているのか(監督が何を期待して自分を起用したのか、今回起用されなかったのは何がいけなかったのか・・・・)を冷静・謙虚に考え続ける姿勢に「参りました」という感じです。



以下、3箇所だけ紹介します(>>は本書からの引用です)。

①『今死んでしまっても、悔いはない』
>>> ある取材で、サッカー選手として、誰にも負けないことは何かと聞かれた。
>>> 「妥協しない姿勢」
>>> 僕はすかさずそう応えた。
これを自信を持って言えるというのは凄いと思いました。


②『仲間に要求するときのタイミングと言い方』
>>>・・・中には要求されたことを「怒られた」と感じてしまうことも多い・・・
>>>・・・チームメイトに要求する機会も自然と増えた。
>>>そういうときは、言うタイミングや言い方に気を配る。相手の性格とプレースタイルを考えながら要求する。
これは、全ての社会人が考えなければいけないことだと思い、深く共感しました。
自分もまだまだ上手くできていませんが、同じことを伝える(指示する・指摘する・要求する)のにも、タイミングと言い方次第で受け入れられ易さが大きく変わってくることは日頃から身に染みて実感しています。

③『監督に不満を抱くのではなく、自分に何が足りないのかを察知する』
>>>レッジーナ時代、「アウェイの試合は守備的に戦いたいから」とメンバーから外されたことがあった。そんな時、監督の判断を不満に思うことは簡単だ。
>>>でも僕は、「メンバーから外される=力がない」ということだと感じ、何が足りないのかを察知することに頭を使った。
多くの場合、自分の思ったとおりの結果が出ない場合、その原因が「周り(上司、同僚など)」にあると考え「周り」に対して不満を持ちます。が、まずは「自ら」に足りないもの(能力・姿勢・考え方)がなかったのかということを考えるべきだということです。
私も日頃感じていることとして、企業社会において、自分を中心に考えすぎ、「自分はこう考えた」、「自分はこれが出来る」、「自分はこれがやりたい」の主張ばかり(だけ)をする人が多いように感じています。「(上司等から)自分は何が求められて(期待されて)いるのか」ということを考えた上で行動することが大切だと思いますので、中村氏の考えにはとても共感しました(自分もなかなか実行できていないことですが・・・・・)


スポーツ選手の著書には普段なかなか手を伸ばさない方も多いと思いますが、本書は超オススメです。

【参考記事】
  読書録