7月10日(金)の日経新聞(朝刊)の1面に、J-SOXについての記事が出ていました。
記事の見出し(タイトル)は、
『 「決算の保証書」2600社開示 』です。
この記事にはちょっとした違和感を感じました。
以下一部引用です。
内部統制ルールはエンロンの不正会計事件への反省から米国が創設。日本は2004年に発覚した西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載が契機になった。企業内部の規律を強化させ、粉飾決算を防ぐのが狙いだ。決算書が企業の成績表であるのに対して、内部統制報告書は決算書のいわば品質保証書にあたる。 |
決算書の保証書は、以前から存在する 『監査法人による「監査報告書」』ではなかったのでしょうか???
この記事には、「監査報告書」はどこにも出てきません(末尾で「監査報酬が3割増」ということが出てくるだけ)。
財務諸表・内部統制報告書・監査報告書・内部統制監査報告書の関連は、確かにややこしく、新聞紙上で限られた文字数の中で完全に説明するのは難しいということは理解するとしても、本記事の説明では、J-SOX制度について不正確な理解をしてしまう一般読者も少なからず出てしまったのではないかと心配になりました。
日経の1面記事ですから、読まれた方多いと思いますが、こういう違和感を感じたのは私だけでしょうか?
あたりまえのことすぎるかと思いますが、以下整理しておきます。
・財務諸表
『財務諸表(会社作成)』 ← これを監査した結果が『監査報告書(監査法人作成)』
・財務報告に係る内部統制
『内部統制報告書(会社作成)」 ← これを監査した結果が『内部統制監査報告書(監査法人作成)』