successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

メビオファームは今・・・・・(直近終値はなんと74円)

皆様の関心事からも、もはや薄れてしまっているかもしれませんが、
メビオファーム(TOKYO AIM)の今を追ってみました。

直近の株価は、8/4の終値で、74円 です。
「前代未聞の暴落」とされた初値が286円でしたが、そこから約1/4になってしまっています。
発行済み株式数が、2,825,800株ですので、74円(8/7誤記訂正)で計算すると、時価総額は209百万円です・・・・


東証のプロ向け株式市場 ようやく第一号上場も前途多難(J-CASTニュース)
以下は、同ニュース記事より引用です(下線は私が付しました)。  思いっきり酷評されています。 

また、初値がつかなったのは、メビオファーム自体の信用度が低かったことも影響したようだ。メビオファームは当初、上場時に新株発行を予定していたが、「必要なくなった」として直前になって急遽中止するなど「対応にやや不透明さがあった」(市場関係者)。業績的には2012年3月期は最終(当期)損益が13億円の黒字と予想するものの、2011年3月期は2億円の赤字で、プロもなかなか手を出しにくい。そうした中で、既存株主のベンチャーキャピタルが上場時に売り急いだことから、しばらく値が付かなかった、ということのようだ。

 「プロ中のプロ」である、SBIホールディングス北尾吉孝社長は、7月28日の決算会見の席上、「あの会社(メビオファーム)では値が付かないと思っていた」と発言。「AIMなんて存在意義ゼロでしょう」とまで酷評した。

TOKYO AIMが厳しい船出、主役が割りを食う羽目にモーニングスター アナリストの視点)
以下は、同ニュース記事より引用です(下線は私が付しました)。 なお、記事中に「出口戦略のためのIPO」と書かれていますが、ファイナンス(Public Offering)は行われていませんので、同社の場合には、IPOとも呼ばないのではないかと思います。

 ファイナンス期間中は、価格形成に影響を与える可能性のある契約締結や意思決定を控えるのが株式市場の常識。契約締結を強行した上に、資金需要が大きいはずのバイオベンチャーが、若い企業に資金調達の場を与えるための新市場で資金調達を行わないという、理解不能な状況となった。ブックビルディングで想定以上の不人気で買い手が見つからず、困った末に適当な理由を付けて公募を中止し、それでも上場は強行したことが容易に想像できよう

 メビオファムは当初から売り出しを行わない予定だったため公募中止で「公開株式数」がゼロになり、既存株主が放出する株式だけが市場に流通する状況となった。結局は既存株の出口戦略のためのIPOであったと言わざるを得ない

 メビオファムは当初、調達資金の多くを研究開発費に充当する予定だった。会社側では資金調達を中止する際、運転資金は十分にあるとコメントしているが、現預金は2億円弱(前3月期末)しかない。早くIPOの実績を作りたい取引所、上場させることによって手数料収入などを得る主幹事証券、保有株を売却したい株主。それぞれの事情に振り回されて主役のはずの発行体が割を食う羽目になってしまったようだ。

 メビオファムは上場当日の記者会見で他市場への早期上場を目指す旨のコメントを出していた。今回の資金調達の失敗が今後の経営に大きな影響を与えないことを祈る。中・長期的には取引所にもマイナスの影響は出てこよう。発行体の意向を無視したIPOが行われるような市場へ上場したいベンチャー企業はない。第2号案件の上場は、あったとしてもまた数年後になりそうだ