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大証から「東日本大震災による被災上場会社等に対する支援策」が公表

大証のHPに、
東日本大震災による被災上場会社等に対する支援策について
が公表されています。
リリース文(PDF)
パブリックコメント内容(PDF)

IPOに関連する事項としては、
3.上場審査基準の緩和 において以下3点が示されています。

?上場審査基準における,直前事業年度の監査意見に関する基準において,震災により監査手続きが一部実施できない場合には,限定付適正意見も可とする。
 ※震災の影響を受けた新規上場申請会社を対象とする。

?実質審査項目(企業の存続性,内部管理体制の整備,情報開示体制の確立等)について,震災の影響を考慮し,対応を図る。
 ※震災の影響を受けた新規上場申請会社を対象とする。
 例としては,
 ※業績見通しの審査は,震災による影響を考慮して行う。
 ※予算統制の審査では,事業環境が不透明な中,予算と実績のかい離や予算修正等があっても柔軟に対応する。
 ※内部管理体制の審査では,一時的な月次決算集計や予算策定の遅延,内部監査の一部未実施等についても柔軟に対応する。

?震災の影響によって業績の推移の確認に一定の期間を要する等の理由から,上場審査期間が長期化し,結果的に基準決算期が変更となる場合には,再申請を不要とする。
 ※震災の影響を受けた新規上場申請会社を対象とする。

5月25日まで、パブリックコメント受付中です。
先に公表されている東証の対策同様に、多くの会社がこの策を活用することによってIPOするとは思えないのですが、有望企業を救済できるのであれば、支援策としての意義はあるのだろうとも思います。


【参考過去記事】
東証が東日本大震災被災企業のIPOに「柔軟対応」(11/04/16)