successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

東証 IPO「情報受付窓口」を設置

3月31日付で、東証のHPに、IPOに関する通報受付窓口のページが出来ています。

情報受付窓口新規上場申請者の上場適格性に関する情報受付窓口(東証HP)

このページは、当取引所に新規上場申請を行っている会社に関する粉飾決算その他の上場適格性に重大な影響を及ぼす事項についての情報を、申請会社の役職員やその他の関係者の方から幅広くご提供いただくための受付窓口です。 ご提供いただいた情報は、新規上場審査に役立たせていただきます。なお、ご提供いただいた情報については、新規上場審査に必要と判断した範囲内において、関係者に確認を行うことがあります。

昨年12月に東証が公表した「マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた施策の概要」に掲げられた「内部告発情報の取得と活用」の具体策(の一環?)ということになります。

昨年発覚した大粉飾IPO「エフオーアイ」において、東証に粉飾決算の情報(投書)が寄せられていたにも関わらず・・・・ということを踏まえたものであることは明白です。
(東証 斎藤社長がエフオーアイ事件の時に、「・・・投書などがあったのではないかというお話ですが、これはあったようです」とコメントされていました。【参考過去記事】:エフオーアイ続報(10/05/20) )

この施策が「マザーズの信頼性向上及び活性化」のために機能することを切に願いますが、実務を考えると本件は、とても悩ましいものと思われます。
もしも本サイトに、ある程度のリアリティがある通報(あの会社は粉飾をしてますよ!等)が寄せられた場合、その疑念が解消できない状況においては、東証としてはその会社を上場承認することは出来なくなります(エフオーアイの二の舞を防ぐため)。
単なる「言いがかり」・「嫌がらせ」のようなこともありうる(これまでも投書等によって実際に行われています)のですが、短い時間で疑いを消すことは必ずしも容易ではないと思います。
ただ、見方を変えれば、ウェブ上に受付サイトが出来たからといって、通報が活発化するとは限らない(嫌がらせの通報をしたい人はサイトがなくても「投書」するでしょうから)とも思われます。

粉飾決算企業のIPOを止めるための投書・投稿は、資本市場の健全化のためにも良いこと(推奨されること)ですが、誤った使い方はやめましょう!