successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

東証上場廃止企業の「受け皿」(フェニックス銘柄)

昨年末に東証から
マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた上場制度の整備等について
が公表されたことは先日、記事にいたしましたが、
その中で、マザーズ上場企業の「上場後10年経過時点」の取扱いについて大幅な見直しが予定されています。

10年経過時点で
・本則市場の上場廃止基準と同水準の基準を適用
(例:時価総額基準がマザーズでは5億円ですが、本則は10億円)
      ↓
上場廃止基準に抵触すると上場廃止
      ↓
・抵触しない会社は、「マザーズへの上場を継続」、「市場第二部に上場市場を変更」を選択する
 となります。
(従来必要だった「審査」を受けることなく東証二部に移れるということです)

別の施策で新規上場を活性化しつつ、市場からの退出もこれまで以上に積極化するということで、
時価総額基準等で上場廃止となる企業が続出することが想定されます。

これについては、年末に金融庁から公表された「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン(最終版)」において、
「?上場廃止銘柄の受皿の整備」 として
日本証券業協会の「フェニックス銘柄制度」を整備していく方向性が示されておりました。
これは、今までより積極的に市場から退場させるにしても、株主の換金機会を用意しなければとの配慮です。

フェニックス銘柄って?と恥ずかしながら私も知らなかったのですが、こういう制度のようです。
フェニックス銘柄制度(日本証券業協会 フェニックス銘柄制度)

フェニックス銘柄制度とは、日本証券業協会が取引所上場廃止銘柄を保有する投資家に対する換金の場及び上場廃止企業の再生を援助できる仕組みとして、平成20年3月31日からスタートさせた制度です。
グリーンシート銘柄制度同様、金融商品取引法上の取引所金融商品市場とは異なったステータスで運営されています。

つい先日、とてもタイムリー(?)な事例がありました。
マザーズに上場している「レイテックス」社が、時価総額基準に抵触して間もなく上場廃止となります(昨年12月30日に決定)。
その受け皿として、レイテックス社はフェニックス銘柄制度に指定されるそうです。
当社株式のフェニックス銘柄指定および同銘柄における当社株式の取扱会員の証券会社に関するお知らせ(11年1月13日 レイテックス社HP)

取扱証券会社は「みどり証券」です。
どこかで聞いた名前な気が・・・と思ったら、旧ディーブレイン証券でした(グリーンシートで有名な)。

そもそも、「受け皿市場」のお世話にならないのが一番ですが、この手の話も知っておいて損はないと思いますのでご紹介しました。


【参考過去記事】
金融庁「アクションプラン」の最終版公表(10/12/24)

東証が「マザーズ」の信頼性向上・活性化に向けて規則変更(10/12/21)

ディーブレイン証券 → みどり証券(10/09/30)