successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

「監査法人変更 4割減」の意味することは?

本日の日経新聞に、
「監査法人変更 4割減  会計処理巡る対立少なく」 という記事が出ていました。

以下記事より引用です。

2010年1〜9月の間に、財務諸表を監査する監査法人や公認会計士を変更した上場企業は延べ114社で、前年同期より4割減った。会計処理や継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)を巡り、企業側と会計士が対立する事例が減った。顧客流出を食い止めるために、監査法人が報酬の引き下げに応じているとの指摘もある。
中堅監査法人からは、「監査報酬を引き下げて顧客を獲得している」との指摘がある。これに対しある大手監査法人は「価格攻勢はしていない」という。内部統制や四半期報告制度が浸透し、監査にかかる時間が短くなったためだとしている。

日経の記事ですので、柔らかく書かれてるのだろうと思いますが、あくまで肌感覚ですが、「監査報酬の引き下げ合戦」のような話を耳にする機会が、従前よりも増えているように感じます。
「内部統制や四半期報告制度が浸透し、監査にかかる時間が短くなったため」は本当で(ただ、これが価格攻勢をしていない理由にはならないと思いますが・・・・)、そのためにマンパワーが余剰になってしまい、従来よりも低い収益性でも顧客獲得に動いているのが実態のようです。
(「他法人がビックリするような金額提示で監査人変更提案をしてきた」のような話をよく耳にします)


私も、会計士の端くれとして、この「消耗戦」状態には大きな問題意識を持っています。
「企業と監査法人」、「監査法人と会計士試験合格者」のいずれの関係も、かなり短い周期で、需要過剰と供給過剰を繰り返しています。
なら、どうすればよいということが示せない難しい問題ですが、収束に向ってほしいと思うこの頃です。。。


なお、IPO準備会社さんにとっては、必ずしも悪い話ではないと思います。
監査法人のIPO準備会社への対応スタンスは、つい2・3年前との比較でも、かなり柔和(積極的?)になってきていますので。