successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

新日本監査法人が400人を希望退職で「削減」

新日本有限責任監査法人が、公認会計士と会計士試験合格者を対象に400人の早期希望退職を実施するとのことです(7/25 日経新聞)。

(私の先輩・後輩・友人・知人にも同法人に勤務する会計士が沢山おられますので、軽率なことは書けないのですが、「IPO業界」にとっても重要性があるニュースですので、話題にしないというわけにもいかないと思い記事にしました)

記事によると、

9月末にかけて募集する。対象は金融部など一部の部署や若手を除く会計士と会計士試験合格者約4800人。応募者には面談を経て原則10月末までに退職してもらう。基本給の6〜10カ月分にあたる割増退職金を支払うほか、再就職支援も実施するという。
関係者によると早期退職募集に先立ち、パートナーと呼ばれるベテラン会計士や企業の監査を直接手がけない事務職員の早期退職も実施した。
とのことです。

新日本は、優良なクライアントを数多く擁する「超一流監査法人」としてのポジションを長年にわたってがっちり維持しておりましたが、ここにきて大苦戦されているようです。

他法人も事業環境としては同じですので、業界環境としてかなりの暴風雨が吹いている状況です。

また、会計士試験合格者の就職難問題にもきっと影響が出てしまうと思われます(こんな状況で新人を大量に採用するとはとても思えません)。


とても暗いニュースではありますが、あえて視点を変えて、IPO準備企業の立場で考えると、
・ 監査法人が企業に対して優しく(?)なる (監査報酬面 & サービス面)
・ 事業会社で働く会計士が増加する・会計士を採用しやすくなる
 (従来より安い報酬で雇用できる。会計士のスキル・経験はIPO準備企業などではとても重宝されます。)
というプラス面もあるように思えます。


とはいうものの、新日本監査法人が業績悪化で人員削減というのは、何年か前までは想像もつかなかった事態です。私も、会計士の端くれとして、この「(会計士)不況」の景気回復を祈ります・・・・




【参考過去記事】

監査法人の業績悪化が深刻化?(日経アンケート)(10/01/14)

新日本有限責任監査法人、2009年6月期は経常損失 13億円(09/09/19)

会計士試験 合格しても就職が・・・・(09/11/28)

会計士試験合格者の就職難に金融庁も必死?(09/10/03)

会計士試験合格者急増で会計士協会が悲鳴(?)(09/04/09)