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東証が即断 エフオーアイ上場廃止へ

先週から世間を騒がせていますエフオーアイ社(FOI社)ですが、あっさり上場廃止が決定です。

上場廃止等の決定について−(株)エフオーアイ−(東証HP)
http://www.tse.or.jp/news/201005/100518_a.html
以下、一部引用です。

株式会社エフオーアイは、平成22年5月16日に、平成21年3月期の財務諸表について、概ね「上場時に提出した有価証券届出書に売上高を過大に計上するなどした虚偽の決算情報を記載し、粉飾額は100億円規模に上がるとみられる」との報道の内容のとおりである旨、及び、当取引所への新規上場申請書類においても、虚偽の決算情報を記載し、上場申請時に提出し、上場承認を得た旨について開示を行いました
新規上場申請書類に記載された虚偽の内容は、会社の状況を示す最も基本的な情報である決算情報に係るものであり、さらに、その規模は同社の新規上場直前事業年度である平成21年3月期の連結売上高118億円に対して100億円にも上るものであって、売上の大部分に係る極めて重要かつ巨額なものであったと認められます。しかも、同社は、虚偽の決算情報であると認識しながら、新規上場申請書類において当該決算情報を記載し、上場申請時に提出し、上場承認を得ていたものです。

会社の開示というのは以下プレスリリースです。
当社の虚偽決算情報に関する報道の真偽等についてエフオーアイHP)
http://contents.xj-storage.jp/contents/62530/T/PDF-GENERAL/140120100516009301.pdf

東証 斎藤社長は18日の記者会見で、本件についてを話したようです。
まだ記者会見の議事はHPに公表されていませんが、このような報道がなされています。
斉藤社長、エフオーアイ新規上場時の審査は「東証としてできることやった」マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/05/18/092/?rt=na
以下、一部引用です。

斉藤氏は、「上場会社がこうした事態にいたったことは、大変遺憾なことである」とした上で、東証による上場審査において、監査報告書に監査法人による適正意見が記載されていることの確認や、受注から売上、入金にいたる実際の帳簿を参照して、売上高の計上に関する実務が適正に処理されていることを確認したことなどを説明した。

また、エフオーアイを推薦した幹事証券会社に対し、その推薦の理由などについて詳細に確認したことなども挙げ、「エフオーアイの審査において、上場審査基準に従って、ルール通りに行った」とした。今後の対応については、「直ちに審査内容などについて検証を開始した」ことを明らかにした。検証については、捜査機関などにより事件の全容が明らかになった上でさらに調査・分析を行い、その結果を生かして必要な対応を行う方針を示した。

記者からの、悪意を持って上場申請書類を偽って開示した場合、現在の審査のシステムでは見抜けないのかという質問に対しては、「東証は司法とか検察ではないので、引受幹事会社が持ってくるものを、我々は善意として受けなければならない」とし、「パーフェクトに(犯罪)を仕組んできた場合、東証だけでは見抜けない」と、犯罪を見抜く困難さを説明した。

また、「架空売上していたのではないかという情報が、審査の過程で外部から寄せられていたと聞いたが」との記者からの問いかけには、「あったようですね」とその事実を認め、具体的な情報提供方法に関する質問には、「紙で、投書みたいな形で来た」と明かした。

情報提供に対する対応については、「うちの審査の人は、情報の逆裏づけをして、ちゃんと(売上は)あるという結論になったようだ」と説明。「東証として、できることはやった」と述べた。


上場前に、投書による架空売上情報が寄せられていたということで驚きです。

本件は、事件の全容が明らかになるまで引き続きフォローしたいと思います。


【当Blog過去記事】

エフオーアイ (09/10/18)

久しぶりの「大手」以外の監査人(09/10/19)

IPO事例研究 エフオーアイ(09/10/25)

唖然! 上場後半年で粉飾疑惑による強制捜査(エフオーアイ)(10/05/14)