先日、
これで解けるか? 「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」(金融庁)
の記事で、金融庁から公表された「11の誤解」を紹介しましたが、それの続きです。
昨日ですが、公認会計士主催のセミナー(会計士向け)で、この「11の誤解」の解説を聞く機会がありました。
この公表物の作成に携わった方(金融庁)が直接説明をして下さいました。
「一部の経済週刊誌等において、IFRSについて誤解しかねない説明が度々なされており、それを払拭する必要がある」との認識とのこと。
特に印象に残った部分をご紹介します。
(このような内容で説明がなされたという記憶での記述ですので、用語・言い回し等は不正確かもしれませんがご容赦ください)
3.全面的なITシステムの見直しが必要か
→ 「IFRSの全面適用が決まると、ITシステムの大幅見直しの需要が膨れ上がることが見込まれるため、今からITエンジニア(コンサルタント)と契約しておくべき」というようなことまで聞こえてくるがこの説明は明らかに行き過ぎ。
6.英語版IFRSを参照する必要があるのか
→ 「翻訳版ではニュアンスなど含めて十分とはいえず、翻訳版を読むだけでは足りない。原典にあたらないとダメ」ということを言う方がいるようだが、それはいかがなものか。もし翻訳版での要求には対応したものの原典にあてはめと十分ではないというようなケースがあったとしても、翻訳版に対して正しく対応をしていたという状況に対して、それが問題だとして罰則や処分を課すというようなことはまずあり得ない(法的にできるわけがない)。
やはり、J−SOXの時と似ている気がします(当時も「11の誤解」が出ました)。
とはいうものの、過敏な反応や「誤解」を取り除くというのが趣旨であり、IFRSの適用は、「会計基準」が変わるという大事です。冷静に受け止めたとしても、かなり大きな影響・負担が出てくるケースも当然にあるのでしょうから、本資料(11の誤解)が公表されたことをもって、過度に安心(IFRSへの取組意欲低減)をされてしまうことがないよう気をつける必要もあるのだろうと思いました。
【参考過去記事】
金融庁から「内部統制報告制度に関する11の誤解」等が公表されています(08/03/11)