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IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

公認会計士の試験制度や資格制度が抜本的に見直し??

本日(12/9)の日経新聞朝刊に、
会計の専門家に新資格 金融庁検討、企業の採用後押し
というとても気になる記事が出ていました。

NIKKEI.NET  会計の専門家に新資格 金融庁検討、企業の採用後押し
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091209AT2C0801408122009.html

以下、記事より引用です(下線は私が付しました)。
金融庁は公認会計士の試験制度や資格制度を抜本的に見直す方向で検討に入る。会計の専門家の民間企業への進出を促すため、現行の公認会計士に準じる新たな資格の創設を検討する。経済情勢の悪化で監査法人が合格者の採用を減らすなか、経済界では会計専門家への需要が根強い。社会人にも受験しやすい資格の創設を目指す。』

記事のうち、「経済界では会計専門家への需要が根強い」は本当なのだろうかと疑問に思えます。
少なくとも、現行会計士試験の合格者を一般企業は殆ど採用しないという現実があります(待遇面、実務従事経験、実務補習などの課題があることも一因ですが)。
仮に、「一般企業が会計士合格者を積極的に採用してもまだ足りない」という状況なのであれば、準じる資格を創設するというのはすぐに理解できるのですが、会計士試験よりも易しい資格を作ることを時代が求めているのかは、私にはよくわかりませんでした。


金融庁のホームページにも、本件に関するリリースが出ています。
「公認会計士制度に関する懇談会」の開催について (金融政務三役)
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20091208-1.pdf

このリリースには、「経済界からの需要が根強い」というようなことは一切出てきません。
以下、引用です(下線は私が付しました)。
『しかし、現状においては、合格者の経済界等への就職は進んでおらず、社会人の受験者・合格者についても十分増加していないなど、現行制度の狙いは道半ばの状況にある。・・・』


「来年央を目途に一定のとりまとめを行う予定」だそうです。

「現行」の会計士の一人として、動向に注目していようと思います。


【参考過去記事】
会計士試験 合格しても就職が・・・・(09/11/28)