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IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

(参考書籍)TOKYO AIM上場ガイドブック (トーマツ)

6月にスタート(?)した東証のプロ向け新市場『TOKYO AIM』に関する参考書籍です。
(おそらく同市場に関する初めての出版物だと思います)

TOKYO AIM上場ガイドブック―プロ向け新市場

新品価格
¥3,024から
(2014/9/8 21:32時点)

私は、いまだに「TOKYO AIM」について、企業やその他関係者にとってどこにどれだけのメリットがあるのかが理解が出来ていない状況なのですが、企業等の方との会話でたまに同市場が話題に上ることもあり、「TOKYO AIM」についても関心をもつようにしています。

本書の内容は、以下の4章構成です。
 第1章 TOKYO AIMの概要
 第2章 TOKYO AIMの上場規則
 第3章 指定アドバイザー(J-Nomad)に関する事項
 第4章 ロンドンAIMの概要
全224ページとそれなりの分量がありますが、ほぼ全面的に制度説明が淡々と書かれています。

TOKYO AIMについてを学ぶにあたって参考になるのは、
第1章の『各プレイヤーにとってのメリットとデメリット』という項でしょうか。
(プレイヤー:上場希望会社、証券取引所、監査法人、証券会社、投資家)

ただし、このメリットとデメリットの説明についても、「・・・・と予想されます」が多用されており、自信のなさそうな弱いトーンの記述に留まっています。
(本当にそれはメリット(デメリット)といえるのだろうか?と思うことも書かれています)

このあたりは、まだ1社も上場企業が出ていない手探りの状況ですので、仕方がないのだろうと思います(他に先駆けてこのような出版物を提供する意義もあるのだろうと思います)。


あと、『国際会計基準(IFRS)導入によるベンチャー企業への影響』というコラムが4部構成で書かれており、IFRSは最近のトピックスなので真っ先に読みましたが、あまりに一般的な内容でちょっとがっかりでした。


「TOKYO AIM」のことを調査・研究する資料としてはまとまっている(他に資料が殆どない)ので、必要な方は是非どうぞ。

【参考記事】
 IPO参考書籍(目次)