面白い本でしたので紹介します。
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社長解任 株主パワーの衝撃 (Mainichi Business Books) 新品価格 |

帯には、
『アデランスの社長はなぜ「クビ」になったのか? 数々の経営権を巡る紛争を勝ち抜いてきた辣腕弁護士たちが初めて明かす、委任状争奪戦の舞台裏 <クビにならないための必読書!>』と
刺激的な宣伝文が書かれています。
著者は、三井法律事務所とシティユーワ法律事務所に所属する5名の弁護士により書かれたもので、
『わが国において、委任状争奪戦や買収攻防戦を攻守両面で最も多く経験している弁護士チームのひとつ』
と本書冒頭に書かれていましたので、相応にこの世界での実務経験が豊富な方たちのようです。
内容としては、昨今増加している、いわゆる「モノ言う株主」が現経営陣に対して不信任を突きつけ、社長をクビにするような事例についての事例分析と、そうならない為に会社が出来ること・やるべきことが書かれています。
第1章において、事例として紹介されている「アデランス」、「テンアローズ」、「すかいらーく」、「日本精密」、「東京衡機製造所」の話もうまくポイントを説明されており、
また、第2章の「買収防衛策、ホワイトナイト、MBOでクビは防げるか?」、第3章の「ある上場会社の社長がクビになるまで」も面白く書かれています。
本書の結論としては、上場会社の経営陣は、常日頃から外部株主をないがしろにすることなく、あたりまえの事(業績向上への努力、株主とのコミュニケーション、IR活動など)をあたりまえにやるということだということに尽きるようです。
最終章において、「クビにならないための7箇条」という提言が示されていますが、その「7」では、『頼りになる確かな弁護士を探そう』と、経験豊富な弁護士を見方につけるべき、弁護士事務所の名前(組織)ではなく、その中のどの弁護士かということ(個人)が重要だということで結ばれています(本書を上手く商売に結び付けているなぁと関心いたしました)。
ただ、この点は、とても納得です。もしもですが自分が委任状争奪戦や買収攻防戦に関わるようなことがあった場合には、本書の著者の先生にお願いできないか真剣に考えるように思えます。
当方の本職であるIPOの世界でも、多くのIPOコンサルタント・アドバイザーがいる世界です。が、能力・経験はバラバラで、玉石混交の世界です。 『頼りになる確かなIPOコンサルタントを』となった場合に、ご指名頂けるような存在になれるよう努力したいと思います。
【参考記事】
読書録