successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

人材紹介会社さんへのメッセージ

昨日は、とある人材紹介会社さんの社内(従業員向け)研修に参加(講師として)してきました。

仕事柄、ちょくちょくと人材紹介会社さんを使った採用活動に関わることがあります。
(コンサル先の上場準備会社で管理部門の人材採用に関わることがあるため)
その時に感じることとして、一般論としてですが、『企業は人材紹介会社に対して相当に強い不満・不信感をもちながら(それでも仕方なく)対応している』ということがありました。
対応の仕方をもっと工夫した方がよいのになぁと感じることがいくつもあり、それをたまに人材紹介の要請をしている人材紹介会社さんの担当者に伝えたところ、「是非、当社のメンバー向けに直接その話をしてもらえないか」となり、このような会が設けられたというのが経緯です。
(業務(仕事)としての活動ではなく、その会社さんの業務改善・従業員の意識向上になればとのボランティア的活動です)

「研修」とはいうものの、お話した内容は、一般論としての人材紹介会社に対する「ダメ出し」です。
(その会社さんも、顧客満足度調査として企業にアンケートを行ったりはされていますが、本当に耳を傾けるべきなのは、アンケートに協力してくれるような関係構築が出来ている人(企業)ではなく、話も聞いてくれない人や、一度取引はしてもらったもののその後要請が来なくなったような人であり、アンケートに書かれている改善要望などにいくらしっかり取り組んだとしても、世の中のニーズからはずれているのでは?とのご指摘をさせて頂きました)


研修には、夜間にもかかわらず、30名ちょっとの方が参加され、 私からは、
ユーザー(企業)は、人材紹介会社についてこういう点を不満に感じているということを片っ端からお伝えしました。
折角の機会だと思い、予め、私が関与している企業の方数名に、人材紹介会社に対して抱いている不満・不信感などの意識調査をさせて頂き、その結果も加えた上で、お話をしました。

・営業マンのレベルが低い、教育が不十分
・採用後のアフターフォローがない
・企業のことを何も知らずに(調べもせずに)対応している
・企業側の要望を理解していない
・要望に明らかにあわない人も売り込んでくる
・求職者の能力を分析できていない
・人材紹介会社が作成した推薦書はあてにならない
・うつ等で精神面に問題がある人材を平気で紹介してくる
・担当者がすぐかわる
・しつこい
というようなことを失礼を承知で指摘させて頂きました。
(この度、不満点等をお聞かせ頂いた企業の方、ご協力どうも有り難うございました)
その上で、できればこういう対応がいいのではという改善提案のようなものをいくつかお伝えさせて頂きました。

満足しているという声は全くなく、問題点の指摘ばかりでしたので、気持ちが良くなる様な話ではなかったと思いますが、どの方も真剣に私の話を聞かれており、高い向上心をお持ちの方々だと思いました。

年齢的にも若い方が多く、ご自身よりも社会経験・人生経験が多い人(企業側も求職者側も)を相手にするのは簡単なことではないのでしょうが、ぜひ真剣にその会社・その人材の立場にたって丁寧な対応をして頂きたいと思いました。
なお、その会社の役員の方からは、「かつての景気のよい時代には、世の中全体の「構造的な人材不足」によって、なかば自動的に人材ビジネスは潤っていた(儲かっていた)が、これからは過去と同じスタンスでは生き残れない」との強い問題意識・危機感をお持ちである旨お聞きしました。


「人材」は企業経営の根幹ですので、「もっと出来る人だと思っていた」、「こんな会社だと思わなかった」のような余計なミスマッチは、お互いにとっても不幸であり時間の無駄でもありますので、少しでもなくなればと常に思っています。


研修にご参加頂いた方にとっても、少しでも参考になるお話が出来ていれば幸いです。