successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

プロデュース前社長が逮捕

循環取引の発覚によって昨年ジャスダック上場廃止となったプロデュース(民事再生手続中)の前長、前専務、元取締役2名の幹部4名が逮捕され、監査を担当した公認会計士の自宅も捜索されたとのこと。

容疑は、『証券取引法(現・金融商品取引法)違反(有価証券報告書の虚偽記載)』ということで、
05年11月に、関東財務局(さいたま市)へ提出した有価証券届出書において、05年6月期の売上高が約14億7千万円だったのに約31億円と記載するなどした疑いがあるとのこと。

東京新聞:プロデュース社 粉飾決算事件 3年で100億円水増しか

時事ドットコム:実行、元専務が中心=循環取引で指示、売り上げ前倒しも−プロデュース粉飾決算

時事ドットコム:会計士が循環取引提案=新潟の会社、粉飾決算で捜査

47NEWS:粉飾決算見逃し、わいろか プロデュースの公認会計士

同社は05年12月にジャスダックに上場しており(05年6月期基準)、上場直前期の決算でとんでもない粉飾をしていたこととなります。
報道では、
(有価証券届出書=粉飾) 売上高 31億976万円、税引き前当期純利益 1億9111万円
(   正しくは     )   売上高 14億7668万円、税引き前当期純損失 6838万円
ということです。

会計監査を担当していた会計士の関与も注目されているようです、循環取引を提案したとか、有価証券報告書の記載額よりも高額な監査報酬を受け取っており粉飾決算を見逃す見返りに高額な監査報酬を受け取った疑いがあるとされて捜査の対象となっているようです。

本事件も、最近の新興市場上場企業が信頼を失っている一因だと思います。
プロデュース社の粉飾について、「証券取引所(や主幹事証券会社)の上場審査が適切だったのか」という意見が多く出ているようですが、もしも、会計士が粉飾に『加担』していたとなるとそれを見抜くのは極めて困難だとも思います。
(会計士が『加担』というのは、『見落とした』というのとは比べ物にならない位、発覚の難易度が高いはず)

どんどん上場審査が厳しくなってしまうような気がして心配です。
また、IPOにおける監査法人の選別(大手志向?)が今まで以上に強まるのかもしれません。
(プロデュースの上場時の会計監査は、東都監査法人(同法人は06年10月に東陽監査法人と合併)でした)




(過去記事)
プロデュース(JQ、6263)が循環取引で強制捜査 (08/09/23)