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いつか読もうと思いながら読んでいなかった本を読んでみました。
03年4月に亡くなられた朝日監査法人の会計士(シニアマネジャー)は、国有化目前だったりそな銀行の担当会計士だったということで、同氏の死と業務との関係を雑誌「エコノミスト」の記者が取材した内容です。
当初は、厳格監査を主張した担当会計士と、妥協を求める監査法人経営側との対立が亡くなった原因ではと噂されていたものが、
取材を重ねていくうちに、厳格さを主張したのが法人経営側で、妥協点を探していたのが担当会計士だったことがわかったそうです。
また、全てが解明されたわけではないものの(この本の内容が全て真実かもわかりませんが)、当時、会計士(監査法人・会計士協会)と銀行と金融庁の複雑な駆け引きがあったことが書かれています。
しばらく前に放映されたNHKドラマ「監査法人」を思い出しました。
(『厳格監査』という単語も出てきます)
「ドラマ監査法人(NHK名古屋ホームページ)」より
第3回「粉飾の連鎖」
>そんな吉野を篠原(橋爪功)は東都銀行・監査主査の大役に指名、多額の不良債権に苦しむ東都銀行に手心を加えるように指示する。だが、吉野は健司と茜(松下奈緒)に、東都銀行の自己査定書を徹底的に洗い直すように命じる。国友頭取(竜雷太)は篠原に猛抗議をするが、吉野は姿勢を崩さない。やがて東都銀行はすでに破綻しているとの結論に達するが、慎重な吉野は最終判断を審査会に委ねる…。
あちらはドラマですが、こちらは現実の話です。
03年発刊の書籍ですが、ドラマ監査法人を見て、監査法人の昨今の状況について、「あれは作り話だから・・・」とお思いの方は、本書を読んでみてもいいと思います。
【参考記事】読書録