successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

会計士 「激震」!

普段は読まない雑誌ですが、「ZAITEN」に、

公認会計士『激震』
 ・公認会計士を襲う「超・残酷物語」
 ・日本の監査法人は国際事務所(ビッグ・フォー)に侵蝕される!
 ・会計士も理解できない内部統制「狂騒曲」
 ・監査法人大手「トーマツ」に賠償命令の衝撃

という余りに刺激的な特集記事がありましたので読んでみました。

とても興味深い内容でした。

昨今の公認会計士・監査法人を取り巻く厳しい環境についてを、監査法人の再編(これまでの統廃合の歴史もまとめられています)、低い監査報酬、国際会計事務所との関係、会計基準の国際化、J-SOXの混乱、裁判所の判断など様々な視点から説明しています。

同誌の結論としては、これからの会計士業界はとても辛く厳しい時代になるということを述べています。
これを、今から会計士を志す学生さんなどが読まれたら、退いてしまうかもしれません。


IPOに関連する記述としては、
審査の厳格化などでIPO企業数が激減しており、これに伴いIPO準備会社という会計士の転職需要が激減する
ということが書かれていました。

私も仕事柄、IPO準備会社さんの管理部門の強化のための人材採用をお手伝いすることがあります。
つい最近、とある人材紹介会社の方とお話をしたとき、「ベンチャー企業への転職を希望する会計士がめっきり少なくなった」とお聞きしたことがあります。

雑誌記事では、「IPO準備会社が減った → 会計士の転職需要が減っていく」ということだけが書かれていますが、「IPO準備会社があったとしても、それを志向する会計士も減っている」ということなのです。これは残念なことと感じています。
私は、IPO準備会社は、これからも公認会計士の活躍の場の一つだと考えています。
IPO準備会社の経理部門は、連結決算、四半期開示(決算早期化)、J-SOX準備、監査法人対応などを行います。従来以上に高度な知識・経験が求められており、これに対応できる人材がいるかどうかが上場実現の大きなキーファクターとなっているといっても過言ではないと思います。
そして、上記の対応を上手に行える人材として会計士は適していると思います。
ですので、IPO準備会社の経営者が、管理部門の体制強化の必要性を十分に認識し、その対価として魅力ある待遇を提供できれば、「IPO準備会社への転職」は会計士のキャリアプランの一つとして今後も続いていくと思います(と個人的には願っています)。