successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

エフオーアイ続報 (東証社長記者会見)

18日に行われた東証社長の記者会見について、要旨が東証HPにアップされています。
本記者会見については、ニュースとして報道はされていたものの、不正確な報道というのもあり得ますので東証の公表内容を押さえておく必要があります。

http://www.tse.or.jp/about/press/100518.pdf

話題はほとんどが、エフオーアイです。

以下一部抜粋です。

・・・・・審査をがんじがらめにして、できるだけ上場しにくいようにすればいいのかというと、それは本末転倒だと思います。我々としても審査能力の改善はやらなければいけませんが、審査担当者にすれば、全部拒否すれば一番いいということになってしまったらおしまいです。そうならないように指導もしなければいけないと思いますので、このバランスをどうするのだと言われると、なかなか難しいのです。・・・・・・・
・・・・・・投書などがあったのではないかというお話ですが、これはあったようです。ただ、その点については追加的に確認していると聞いています。その情報の逆裏付けというか、投書の事実関係を確認する作業はきちんと行っていると理解しています。・・・・・・・・
・・・・・・証券会社の主幹事というのは、普通は5年、10 年付き合うのです。何年後に上場しましょう、がんばりましょう、そのためにはこういう準備をしたほうがいいです、こういうところはきれいにしたほうがいいです、こういうことはきちんと用意したほうがいいですと、ずっと指導するわけです。途中から、監査人を指名して、それも4〜5年やる。監査人の方では、こうしないと東証の審査に通りません、これをきちんと用意しないといけないなどと指導する。例えば上場すれば、J−SOXなどへの対応も必要になりますから、どのようなリスク管理委員会を開いているとか、そういう内容も全部、監査人とか、主幹事証券会社が指導するのです。そして書類をそろえて、それを東証へ持ってくるのが通常の手順です。
それに対して、東証は、これはやりましたか、これはどうですか、この数字は正しいのですか、大丈夫ですかと確認していく。そして、それが信用できるということであれば承認する、そういう制度です。つまり、上場審査というのは、東証が最初から申請会社側に、あなた、こうしていますか、ああしていますかという仕組みではありませんので、そこはぜひご理解していただきたい。・・・・・・・・

斎藤社長の発言で、少し違和感を感じたのは、
・主幹事は5年、10年付き合う
・監査人は4、5年やる
が「普通のIPO」だという点です。
上場準備の期間は、会社によってケースバイケースではありますが、「このご発言はひと昔前(マザーズが出来る以前)のIPOの話では?」とも思ってしまいました。
マザーズIPOにおいて、主幹事証券会社が上場申請までに指導した期間の標準(普通)が5年・10年というのはあり得ないと思います。
確かに、ひと昔前は、主幹事が5年など長期間かけて指導を行い、、その後に監査法人を選定して・・・という流れだったことは正しいことですが、昨今のマザーズなど新興市場IPOの場合、5年・10年というような指導期間がないほうが「普通」なのではないかと思いました。
監査法人が先に関与しており、後から主幹事証券が決まるというケースも少なくはないと思います。


あと、18日に大証の米田社長が行った大証記者会見においても、エフオーアイが話題になったようです。
大証社長、エフオーアイの虚偽記載「異常で不可思議」日本経済新聞
以下一部抜粋です。

・・・・・エフオーアイ(6253)が上場申請時に虚偽の決算数値を記載した問題について「売り上げの大半に当たる約100億円を水増し計上したということを、なぜチェック出来なかったのか。異常、不可思議で、市場関係者はなぜ発見できなかったかをきちんと検証していく必要がある」と述べた。・・・・・・・

当事者ではないからこそできるご発言という感じです。