successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

「今は上場にメリット少ない」

12日の日経(朝刊)の「人こと」のコーナーに、今年MBOによって非公開化した日本ジャンボーの高橋会長の談話が出ていました。
(同社は09年1月にジャスダック上場を廃止)

以下、記事より引用です。

・「大企業ならいざ知らず、年商200億円の当社規模で上場している意味はない」
・「当社にとっては内部統制報告制度「J-SOX法」の規制が厳しすぎ、社内制度の整備やコンサルタントへの対応に追われて仕事にならなかった。上場維持コストも重かった」
・新卒採用のためには上場が有利との意見には「就職先は待遇や仕事内容で選ぶもの。関係がない」
・「資金調達でも今の市場環境では上場にメリットは少ない。利益を出して返せるなら、銀行から借りた方がずっと良い」

「つい先日まで実際に上場していた会社さん(経営者)」のコメントですので、考えさせられるものがあります。
(「上場を断念した会社さん」が、上場したくてもしたくても出来ないので、「上場してもメリットない(ので上場をやめた)」ということを言われるケースもあるようですので)

それにしても、「J-SOXが厳しすぎ・・・」はいかがなものでしょうか。

もし、「J-SOX」が重たい負担となり、その結果として、「市場から退出していく企業」、「上場を目指すのを止める企業」が多数生まれてしまった場合、「本当にそれでよかったの?」ということにならないでしょうか。

同社(日本ジャンボー)は、一度も「内部統制報告書」を出すことなく上場廃止の道を選んだわけですが、先日出揃った3月決算会社のJ-SOX初年度の状況(=「重要な欠陥」はわずか56社、当初言われていたよりは骨抜き化された?)を踏まえると、制度スタート直後のJ-SOX準備が、「過度」に同社を苦しめてしまったということはなかったのだろうかとも気になりました。



【参考過去記事】

何のための上場か(08/01/14)

IPO中止・延期企業の理由は87.6%が「株式市場の低迷」? (09/04/25)