昨日(6/27)の日経新聞に、
「過去の業績訂正が増加 今年すでに15社 不適切な取引などで」
という記事が出ていました。
上場会社における過年度決算の修正が09年だけですでに15社あるそうです。
以下、記事より
・フタバ:不正な資金支援
・伊藤忠:デリバティブ取引の処理/不適切な金融支援取引
・フォーバル:社員の不正行為
・広ガス:連結子会社の不適切な処理
・幻冬舎:元社員の不正行為
・ダイキン:不適切な会計処理
・ヨンキュウ:稚魚の売り上げの値引き
・JDC信託:循環取引など不適切な処理
・千趣会:為替関連の契約に関する会計処理
・大水:元社員による不適切な取引
・IBE:子会社の不適切な処理
・ソルクシーズ:有価証券の評価損の会計処理
・北恵:架空売上などの不正行為
・ビックカメラ:不動産流動化の会計処理
・理経:不適切な取引
この多さには驚きますが、上記の企業のうち、いくつもの会社が、09年3月期有価証券報告書において「内部統制は有効」となっており、ちょっと首を傾げたくなります。
(内部統制報告書は、「期末時点及びその後」についての評価なので不適切な会計処理が「過去」にあったとしても内部統制が有効ということは矛盾ではないのですが・・・・)
記事では、「これらの企業では内部統制の確実は整備が求められそうだ」となっていますが、内部統制報告書からすると、多くの会社は、「もう整備は終わりました」ってことなのでしょうか?
これから先、「内部統制は有効」とされていた上場企業からも「不適切な会計処理」のような業績訂正も出てくるのではないかと思います(J-SOXが制度化されたからといってそれが皆無になるとは思えません)。
もし、そのような事例が頻発するようなことがあれば、あらためてJ-SOX制度の存在意義が議論されることになるのだろうと思います。
なお、IPO準備の実務では、過年度決算を修正することは比較的よく行われています。
が、それは、税務会計ベースでの決算を、上場企業になるにあたって企業会計ベースに修正するようなもので、「不適切な会計処理」のようなものとは異質の決算修正です。