金融庁のHPに、
「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」
が公表されています(6/16付)。
中間報告という位置づけですが、骨子としては、
・2010年3月期(年度)から、国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表に、任意適用を認めることが適当である。 ・強制適用の是非の判断時期は、・・・中略・・・2012年を目途とすることが考えられる。対象は、上場企業の連結財務諸表が適当。強制適用を行う場合、判断時期からに少なくとも3年の準備期間が必要と考えられる(2012年に判断の場合、2015年又は2016年に適用開始。)。 |
が書かれています。
本文の中に、一箇所だけIPOに関係するフレーズがありました。
? 非上場企業への任意適用の取扱い (16ページ) 非上場企業は、一般的に、上場企業に比してグローバルな投資の対象になっていないと考えられる。とりわけ、中小・中堅規模企業はIFRS適用のニーズは低いと考えられ、IFRSに基づく財務諸表作成のための体制整備や準備の負担を考えると、非上場企業へのIFRSの適用は慎重に検討すべきである。 一方で、国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の子会社や連結財務諸表を作成する非上場企業及び近い将来上場を計画している非上場企業については、IFRSに基づく連結財務諸表等の作成を認めることのニーズはあると思われる。したがって、これらも踏まえ、非上場企業に対し任意にIFRSでの財務報告を認めるかどうかについては、改めて検討される必要があるものと考えられる。 |
将来的には、IPO準備のためにやらなければいけない事項として、『国際会計基準対応』が求められることとなるのは明白ですので、わが国における国際会計基準の取扱いについては、なんとか話題についていけるようにしなければと思っています。
ですが、恥ずかしながら英語がとても苦手なため、以下の箇所にも期待しています・・・・・
IFRSを適用する場合の言語 (6ページ) IFRS適用に当たっては、我が国の作成者、投資者等がIFRSを理解できることが不可欠であることから、日本語に適切に翻訳され、これが、IFRS(日本語翻訳版)として広く認知されている必要がある。 |
この最近、国際会計基準についてかなり注目されているようですが、なんだかJ-SOX導入時とだぶる光景があるように感じています。
J-SOX導入にあたっては、『早く始めなければ大変なことになる』、『専門家のコンサルティングが不可欠』、『システム変更が不可避』などなどとして、上場企業の周囲が関連ビジネスを拡げる為に過度に騒ぎたてた面があるように思えます。
国際会計基準についても、「その影響が本当に広範囲に及ぶ企業(グローバル展開している超大企業グループなど)」と、「比較的軽微な影響ですむ企業(単体決算のみの簡素な決算の企業)」があるのだろうと思います。
前者が多数派ということもないのでしょうから、各社が自社の状況に合わせて冷静に対応するのがよいのだろうと思います。