successIPO (IPO準備会社を応援するブログ)

IPOコンサルタントをしている公認会計士が、IPOを目指している(又はこれから目指す)企業さんやIPO業界関係者の方にとって参考になる情報を提供していきます。

ゴーイングコンサーンについての制度改正

新聞記事にもなっていますが、「継続企業の前提に関する注記」(GC注記、ゴーイングコンサーン注記)の取扱いが急遽変更になるようです。


Nikkei ITPro 「ゴーイングコンサーン注記」を国際基準と合致へ,金融庁が監査基準改定案
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090324/327132/

ニュース記事の解説では、
>現行のゴーイングコンサーン注記の判断基準を国際基準に合わせて,投資家の不利益を避ける。国際基準のほうが事実上“緩い”ことから,業績を悪化させる企業が多い状況に対応する狙いもある。 というような説明がされています。

「監査基準の改訂について」(公開草案)の公表について(金融庁 3/26)
http://www.fsa.go.jp/news/20/sonota/20090326-3.html

あわせて以下も参考になります(GC注記に係る我が国と欧米の比較なんて資料もあります)。
企業会計審議会第19回監査部会議事次第(金融庁、3/24開催分)
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/kansa/20090324.html


GC注記問題は、
制度発足直後は、GC注記を付ける付けないの問題(「GC注記が付く」ということがとんでもないという議論)だったように思い出されますが、
この最近は、GC注記を付いた監査意見が表明されるか、監査意見不表明となるかの問題(GC注記は付いてもいいので意見表明をしてもらいたいと企業が思っても、監査人が監査意見の表明自体をしない)に論点が変わってきていたように感じています。
この制度改正で、またGC注記問題が新たなステージ(?)に突入していくのでしょうか。

なお、この時期に公開草案を公表して、「09年3月期の決算から適用」というのは、極めて異例のスピード改正ではないでしょうか。