『内部統制』という言葉がとても良く飛び交うようになりました。
会社法でも、金融商品取引法でも、『内部統制』が出てくるので、混乱されている方が多いようです(私もその一人ですが。。。)。
これについて面白い記事がありました。
商事法務研究会の『旬刊 商事法務』において、
会社法と金融商品取引法の交錯と今後の課題
- 財務報告に係る内部統制報告制度への対応 -
という特集記事があります。
(上) 08年1月25日号、 (下) 08年2月5日号
これは、有識者による座談会形式になっており、
東大の神田教授、早稲田大の黒沼教授、東証の静執行役員、住友商事フィナンシャルの鷲地部長、弁護士の武井氏 がパネラーです。
現在J-SOXのどのようなことが問題になっているのかについて、制度の立法経緯、米国との比較、法律上の解釈、対応中の会社実務などの切り口で議論がされています。
・実務上どのようなものが「重要な欠陥」となりそうなのか?
・「重要な欠陥がある」となったら、その会社の取締役は会社法上の法的責任を追及されるのか?
・J-SOXにおける監査役の位置づけは?
(J-SOXでは監査法人が「監査役が機能しているか」を評価するとされ、一方では監査役は「会計監査人の監査の方法と結果を監査する」とされており、循環していないか? (最後は、「考えすぎないほうがいいですね」で結んでいます・・・))
など、ちょっとマニアックな議論がされています。
制度全体についてのはなしですので、実務に直接役立つ内容かは???ですが、読み物としては面白いと思います。
それと、個人的に一番よかったのは、
住友商事フィナンシャルの鷲地部長が、J-SOXについて、
・財務諸表監査=「この人がいったことは嘘ではない」ということを証明する
・内部統制監査=「この人は嘘をつきません」ということを証明する
という例えをされており、いくらやってもきりがない面があるのですと言われています。
この例えは、「一体どこまでやればOKなんだ?」という実務におけるモヤモヤ感に対する究極の答えのように思え、とても印象に残りました。